TOEICの解法のひとつに、「先に設問を読んでおきましょう」というのがありますが、それで本当にスコアが上がるのでしょうか?
今回は、最新の公式問題集のリスニングPart3を解き終えたばかりなので、最新の傾向を検証しながら考えてみました。
以下、リスニングPart3で解説していきます。
そもそも時間がない
そもそも「設問の先読み」は相当難しいことです!
リスニングPart3の第1問目なら時間的余裕もあります。ここで設問の先読み(チラ見)をしない手はないでしょう。
問題は2問目以降です。前の問題を解いてどれだけ時間に余裕がありますか?設問は3題ありますが、マークシートの塗りつぶしもそこそこに、何題読むつもりですか?
私は読めて1題です。2題目を読もうとすると、リスニング音声が流れてきてしまいます。「Number〇〇 through number△△ … following conversation」と聞こえた時点ですぐ頭を切り替えるのですが、どうしても
ああ、読み切れなかった…
ああ、読んでもわからなかった…
あれっ⁉せっかく読んだのに忘れちゃった!
のどれかになります。
試験中にこんな悲しい思いをしてまで、先読みをする必要があるのでしょうか?
余計な情報はキケン
リスニングのパートの難易度は、「Part1やさしめ、Part2まあまあやさしめ、Part3ちょっと難しめ、Part4難しい」と思っている人が多いと思いますが。
Part3ってかなり難しいですよ!
「問題〇番から△番は次の会話に関するものです」(実際は英語)
って情報は「会話」だけなんです。「会話」なんてどこでもありです。
レストラン、空港、職場、宅配業者、小売店、旅行代理店…
Part4はヒントをくれるんですよ。
「問題〇番から△番は次のニュース(お知らせ、クーポン、電話メッセージ、会議の一部)に関するものです」
Part3より親切です。
なので、Part3で確実にやらなければいけないことは、
「場所」と「人間関係」
を正確にとらえる
ことなんです!
リスニング音声が流れて来たら、
頭の中を空っぽにして、
全神経を音声にそそぐべき
です!
設問の先読みをして、「レストランで男性は何を求めていますか?」と読み取ったからといって、「さて何を注文するんだろう?」と構えていたらいけません!
男性はお客さんとは限らないのです!
採用面接に来たのかもしれないし、会社のパーティーの下見に来たのかもしれません。
先読みをして余計な情報を頭に入れておくことは、正確な「場所」と「人間関係」を理解する妨げになるのです!
先読みしても無駄な設問
さらに「どうでもいい設問」というのがあります。読むだけ無駄な設問のことです。
(例)
・この会話が行われている場所で、もっともふさわしいのはどれですか?
・この女性が働いているのは次のどこですか?
・この男性はこの後、何をしようとしていますか?
こういう設問を読んで、待ち伏せしながら聞くのは効果的でしょうか?
「よし、場所を聞きとってやる!」「勤務先に注意して聞くぞ!」「男はこの後何かするんだな!」
なんて脳に余計な負担をかけなくても、
頭の中を空っぽにして、
全神経を音声にそそぐべき
そうした方が、脳がリラックスして聞き取れるのではないでしょうか?
あなたの脳は、「会話の場所」や「女性の勤務先」「男性のこの後の行動」などをちゃんとプロセスして聞いてくれますよ!
先読みをおすすめする人たち
TOEICの問題集には、先読みを勧めるものが多いと思います。
そりゃ、そうでしょうね、
だって、書いてる人たち、
みんな、990点(満点)
なんだから!
TOEICの問題が作れて、解説ができるレベルの人たちのアドバイスって、そのまま受け入れていいんでしょうか?
そりゃ、役に立つものも多いですけど、やっぱり
できないものはできない!
ですよ。
だからって、落ち込むことはありません。
自分に合ったやり方を見つけ出せばいいのではないでしょうか?
だいたい、設問の先読みなんて、英語力とはなんの関係もありません!
少なくとも、リアルワールドでは、
相手は何を言ってくるかわからない
ことがほとんどです!
「次、相手はこれをいってくるはず」
なんて待ち伏せはできっこないんですから、そんな技を身につけてどうするの?って話です。
私も先読みしていたころがありました。
でも、「設問は読んでも、選択肢は読んではいけない、余計な情報が入るから」って言われると、なぜか選択肢が目に飛び込んで来たりして、「ああ、いけない、いけない」なんて自分を責めたり(?)していました。短い英単語などは目に付きやすく、印象に残ってしまうんです。( holiday, movie, ticket, travel …)
つまり、先読みは向いていませんでした。
私も990点を何回も達成できたら、「先読みしましょう」なんて言い出すかもしれません? (ありえないけど…)
いずれにせよ、
「スコアを上げたかったら、先読みせよ」
「先読みしないと900点は取れない」
とかいう主張もありますが、
(私は、先読みを続けていたら955点は取れなかったですね…)
自分に合ったスタイルを見つけましょう!
最後までおつき合いいただき、ありがとうございました。
TOEIC900か、英検1級か…↓