エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
『枕草子』第2部
気にかかること
気にかかること。母親は、比叡山で12年間修行している息子が気がかりである。
知らないところへ行って、夜になったとき。使いの者たちは見られてはならぬということで、灯りを使えず、列になって座り込み、暗闇の中でおろおろする。
あるいは、新しい使いの者をやったが、なかなか帰ってこないとき。大事なものを届けるように言いつけたのだが、その使いの者が信頼できるのか心配になってくる。
また、抱かれるのを嫌がる赤子。泣きながら、手をバタバタさせて、心配になる。
反対のもの
反対のもの。夏と冬。夜と昼。雨の日と晴れの日。うれしい人々、腹を立てた人々。年寄りと若者。白いもの、黒いもの。愛する人、憎む人。
たとえ同じ人であっても、態度が変わる。人は、いろんな感情を持っている。「同じ人のはずがない」と思ったりする。
火と水。太った人、やせた人。長い髪の人、短い髪の人。
めったにないもの
めったにないもの。娘の夫をほめる父親。息子の嫁をほめる母親。
よく抜ける銀の毛抜き。
主人のことを悪く言わない従者。
性格の悪いところがない人。そういう人は、顔立ちが美しく、心根がよく、あるべきように振る舞う。そういう人は、誰とでも親しくなり、悪く言われることはない。
一緒に過ごす人たちで、たいへん礼儀正しく、他人に思いやりがある人もいる。そのような人が、まったく欠点を見せないということはまれなことである。
詩や物語を書写するとき、原本に墨を一滴も落とさずに書き写すこと。原本がとても大事で、そうならないようにどんなに気をつけても、だいたいうまくいかないものである。
好きな人と末永くよい間柄でいること。誰にとっても、めったにないことである。
ごもっとも…ですかね?
でも、「毛抜き」が唐突すぎ⁉