英検1級・TOEIC900点からのNHK語学

英語講師です。通訳案内士試験合格しました。

 エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『種子島』

 

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ

ニッポンぶらり旅

『種子島』 

 

 

 

 

アキト「おい、ベン!起きろよ!」

ベン「ああ、ごめん、もう飲めない…」

「ベン!」

「あれ?アキト?ここはどこ?」

 

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「種子島だよ。昨夜フェリーに乗ったの覚えてる?」

「フェリー?」

 

(ぼくはアキト。ベンとぼくは大道芸の二人組。ベンは昨夜はしゃぎすぎたんだ)

 

「本当にフェリーに乗った?」

「乗ったよ。他の乗客と仲良くなって、一緒に焼酎を3時間半も飲んでたよ。だから気分が悪いんだろ?」

「わかった、わかった。そんなに怒らないで。で、なんで種子島にいるんだっけ?」

「忘れちゃったのか?ロケットの島に行きたいってベンが言ったんだよ」

「ああ、そうだ。ロケットを見に行こう」

 

(ベンはいつだってこうだ。言ったことをすぐ忘れる)

 

「宇宙センターって思ってたより近いね」

「あれは宇宙センターじゃないよ。鉄砲館だ。ポルトガル人が種子島に鉄砲をもたらしたと言われている。日本で最初の鉄砲をね」

「鉄砲?行こう!」

「この古い鉄砲を見てよ。そうだ、種子島の歴史や自然環境のことも学べるよ」

 

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「それもいいけど、鉄砲のこともっと知りたいな」

「OK。ポルトガル人が来てから、島の当主、種子島時尭は日本で鉄砲を作るように命じたんだ。鉄砲はすぐに広まった。多くの武士たちが鉄砲を使ったおかげで、戦国時代が終わったという人もいる」

「へえ、そうなんだ。20世紀には同じ場所からロケットが打ち上げられたんだね。すごくおもしろいな!」

 

(鉄砲館の後、種子島宇宙センターに行った)

 

「うわーっ!さっきまで森にいたのに、急に未来都市に来ちゃったみたい!」

「そうだね。この宇宙センターは、世界で一番美しいロケット発射場と呼ばれているんだ。まわりが森と海だからね」

「カッコいいな!で、なんで種子島に宇宙センターを作ったんだろう?」

「えっと、最初に宇宙センターを作る計画が出たのは1960年代だった。政府が種子島を選んだのは、赤道に近いところにしたかったからだよ。地球の自転速度は赤道に近いほど速くなる。赤道近くでロケットを打ち上げるのに都合がよかったんだ」

「それはおもしろいね」

「それに、発射場には広い土地が必要だった。種子島は島だし、海上に打ち上げられるから最適だったんだよ」

「なるほど。で、最初のロケットはいつ打ち上げられたの?」

「1968年だよ。小さな気象観測用のロケットだった。その後、180個近いロケットがここから打ち上げられたんだ」

 

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「そんなにたくさん?じゃあ、次はぼくたちの番だ」

「どういうこと?」

「大物になるためには、ロケットみたいに星を目指すのさ!」

「おい、ベン!今夜は飲むなよ。明日もそのことを覚えていてほしいものだね!」

 

 

ベンの「今を存分に生きてる感」がいいんですよね。