エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
鳥取砂丘
鳥取砂丘
アキト「ベン、写真撮ろうよ」
ベン「あー、いいけど。なんで?」
ア「眺めのいい場所だからさ。これ、見てよ。どこを見ても、砂、砂、砂だよ! 不思議じゃない?」
ナレ(ベン)
ぼくはベン。今日、アキトとぼくは鳥取県に来ている。ぜったい行くべき場所が鳥取にはあるってアキトが言うんだけど…
ア「鳥取砂丘は日本で一番大きい砂丘なんだ」
ベ「ほう」
ア「あれっ? まったく興味ない?」
ベ「うーん、砂丘ならたくさん見てきたからね、それに…。あれっ?あれは海? うわーっ! すばらしい眺めだ!」
ア「あれが鳥取砂丘の魅力の一つさ。海沿いの砂丘だから、両方の眺めが楽しめるんだよ」
ベ「そうだね。二つの景色はまるで違うね。こっちは砂漠みたいだし、あっちはハワイのビーチみたいだ」
ア「毎年100万人以上がここを訪れるって聞いたよ」
(動物の鳴き声)
ベ「は? 今のは何だったの?」
ア「らくだだ! 砂丘でらくだに乗れるんだよ」
ベ「砂丘に行ったことはあるけど、らくだに乗ったことはないんだ。乗ろう!」
ア「おっと! 揺れるなー」
ベ「うん、らくだってけっこう背が高いんだね。遠くまで見える」
ガイド「むこうに、馬の背という有名な砂丘が見えますよ。高さは47メートルです」
ア「うわーっ! 登るのはたいへんそうだな」
ベ「そうだね。砂の上で休んでいる人が見える」
ア「ほら、あっちの人は砂山を滑ってるよ」
ベ「あっちは凧揚げしてる」
ガ「ただ砂の上に座って景色を楽しんでいる人たちもいます」
ベ「砂丘の楽しみ方は人それぞれだね」
ア「あれ? あの池のまわりにロープがある。なんでだろう? 立ち入り禁止だって」
ガ「砂の中にいる甲虫の一種(※)を保護するためです」
ベ「甲虫?」
ガ「はい。とてもめずらしい甲虫で、砂丘から消滅しつつあるんです」
ベ「観光客が採って持ち帰っちゃうから?」
ガ「いいえ。ときどきうっかり巣を踏みつけて壊しちゃう人がいるので」
ベ「ああ、だから入れないようにしたんだ」
ア「海からの風が気持ちいいね」
ガ「風が砂の上に模様をつけます。風が吹くたびに模様は変わるので、いろいろな模様をたくさん楽しめます」
ベ「うわーっ! 自然が創る芸術作品だね」
ガ「その通りです。昼間、たくさんの人が砂の上に足跡を残します。夜に風が吹いて、足跡をすべて消し去ります。朝、砂の表面はなめらかになっています」
ア「つまり、砂漠は毎日休けいするんだ」
ガ「そうですね」
ベ「アキト、ぼくたちもそうしようよ。毎日リラックスして、休んで、再開する。砂丘みたいに」
ア「そうだね。でもベンはいつもリラックスしてるだろ?」
ベ「おい!」
※ 甲虫の一種とは「エリザハンミョウ」のことで、ポケモンGoで立ち入る人がいて問題になりましたよね。
たくさんの人が砂の上に残した足跡を、夜風がすべて消し去る…。なんか、詩的ですね。