エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
姫路城
姫路城
アキト「ありがとうございました。A&Bのアキトとベンでした。またお会いしましょう。では。あれっ、ベン、何見てるの?」
ベン「あのお城を見てよ」
ア「姫路城だね」
べ「ああ、きれいだなー。昨日建てられたみたいだ」
ア「2~3年前に修復と塗装工事が行われたって聞いたよ」
ナレ(ベン)
ぼくはベン。今日、アキトとぼくは兵庫県の姫路に来ている。駅前で芸をやってたんだけど、お城から目が離せなかった。あまりにも美しいので。
ア「あそこまで歩けると思うよ。行きたい?」
べ「行きたい!」
ア「姫路城は、白鷺城とも呼ばれているんだ」
べ「ああ、羽のある大きな白い鳥みたいだもんね。城主はあのお城で、穏やかで幸せに暮らしたんだろうね」
ガイド「実はそうでもありませんでした」
ナレ(ベン)
振り向くと誰か立っていた。
ガ「こんにちは。観光ガイドです。姫路城へようこそ」
べ「こんにちは。ぼくはベンで、こっちはアキトです。このお城のことを教えてもらえますか?」
ガ「いいですよ。建てられたのは700年ほど前です。城主が変わるたびに、修復と増築が行われてきました」
ア「どうして増築したんですか?」
ガ「戦に勝つためです」
べ「ここで戦なんかあったようには見えないけど」
ガ「びっくりされるかもしれませんが。あちらをごらんください。壁に穴があるでしょう?」
ア「はい。みんなちがう形ですね。しゃれてます」
べ「あの穴は、光を取り入れるためのもの?」
ガ「いいえ。穴はお城を守るために使われたんですよ。お城に敵が侵入したら、中の者が穴から矢を放ったり、銃撃したりしたんです」
ア「そうなんですか?」
ガ「はい。それに敵を迷わすために、城内には迷路のように建てられたところもあります。外観は美しいのですが、このお城は攻撃には強い造りになっています」
べ「なるほど。有名な一節を思い出した。きれいなバラにはとげがある、ってね」
ア「姫路城は第二次世界大戦のときの爆撃にも無傷だったって聞きました」
ガ「そうなんです。築城以来、さまざまなことがあったんですが、今もこうして建っています。このお城には何か秘密があるのではないかと」
べ「秘密?」
ガ「はい。前回の修復工事の時、屋根の家紋がさかさまになっていることがわかったんです」
べ「まちがえちゃったのかな」
ガ「実は、日本ではこういう言い方をします。『完璧は崩壊の始まり』。お城を建てた人が姫路城が崩壊しないように、家紋をさかさまにしたのかもしれません」
べ「へえー! 面白いですね! ねえ、アキト、芸も同じだよね。完璧になりたくないな、精進しなくなっちゃうから」
ア「ぼくは完璧にやりたいよ!」
べ「ああ、アキト、わかってないなー!」
ア「わかってないって、何がだよ?」
完璧は崩壊の始まり。完璧な英語も目指さなくてよし!ですね。