エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
有田焼
有田焼
ベン「いいぞ、アキト!」
アキト「ベン、話しかけないでくれ。集中したいんだから。よけいなこと考えられないんだよ」
べ「ただ応援したいだけなのに」
ア「話しかけなくても応援できるだろ。ああ、なんてこった!」
べ「またぁ? アキトには向いてないんじゃない?」
ア「失敗したのは、ベンがずっと話しかけてくるからだよ!」
ナレ(ベン)
ぼくはベン。今日ぼくたちは佐賀県の有田町に来ている。この町は焼き物で有名だってアキトが言ってた。だから陶芸教室に来たんだ。
ア「ああ、もう一回挑戦だ」
ナレ(ベン)
ろくろの上で器を作るのってそうとうむずかしそうだな。
講師「アキトさん、リラックスしましょう。深呼吸して、頭を空っぽにして。手で粘土を感じて、指先に集中しましょう」
べ「自然と会話する、みたいな?」
ア「ベン! 話しかけるなって言っただろ?」
講「力が入りすぎているのかな」
ア「えっ?」
講「休憩して、ちょっとおしゃべりでもしてリラックスしてみては?」
べ「それがいい!」
講「焼き物には2種類あるのをご存知ですか?」
ア「知りませんでした。二つの違いは何ですか?」
講「一つは、摂氏1,000℃~1,300℃の窯で焼きます。もう一つは、1,300℃以上で焼きます」
べ「温度でどういう違いが出るの?」
講「見た目が違います。それに、叩くと違う音がします」
ア「音?」
講「一つ目はこんな音」
べ「低い音だ」
講「そうです。ではこちらも聞いてください」
ア「ああ、高い音だ。金属のカップを叩いているみたい」
講「有田では、二つ目の方の焼き物を作っています」
べ「ここの器はみんな粘土でできているのは知っているんだけど、ガラスみたいに輝いてる」
講「私たちが使う粘土は、ガラスを作る材料に似ています。400年ほど前に有田で見つかった粘土です」
ア「この粘土が採れるのは有田だけですか?」
講「他の場所でも採れます。でも、ここで見つかった粘土の質は、このような焼き物を作るのに最適なのです」
ア「ああ、なるほど。窯で焼いてから絵をつけるんですか?」
講「そうではありません。まず、粘土で成形して約900℃の窯で焼きます。それから簡単な下絵を描きます。その後、特別なうわぐすりを塗ります。うわぐすりを熱すると、ガラスのように輝きます。次に、約1,300℃でもう一度焼きます。最後に色をつけて、約800℃でさらに焼きます。
べ「うわー! たいへんな手間だ!」
講「手間はかかりますが、そのおかげで完成品はたいへん美しいものになります」
ア「そうですね。これらのお皿や器はすばらしいですよ!」
講「アキトさん、もう一回やってみますか?」
ア「もちろん!」
(粘土を形作る)
ア「できた!」
べ「やったね、アキト! 今回はこわれなかったね! 見事だよ!」
ろくろって本当に手に負えないんですよね。「才能ナシ!」を思い知らされました…