英検1級・TOEIC900点からのNHK語学

英語講師です。通訳案内士試験合格しました。

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『有田焼』

 

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ

有田焼

 

 

 

有田焼

 

ベン「いいぞ、アキト!」

アキト「ベン、話しかけないでくれ。集中したいんだから。よけいなこと考えられないんだよ」

「ただ応援したいだけなのに」

「話しかけなくても応援できるだろ。ああ、なんてこった!」

 

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「またぁ? アキトには向いてないんじゃない?」

「失敗したのは、ベンがずっと話しかけてくるからだよ!」

 

ナレ(ベン

ぼくはベン。今日ぼくたちは佐賀県の有田町に来ている。この町は焼き物で有名だってアキトが言ってた。だから陶芸教室に来たんだ。

 

「ああ、もう一回挑戦だ」

 

ナレ(ベン

ろくろの上で器を作るのってそうとうむずかしそうだな。

 

講師「アキトさん、リラックスしましょう。深呼吸して、頭を空っぽにして。手で粘土を感じて、指先に集中しましょう」

「自然と会話する、みたいな?」

「ベン! 話しかけるなって言っただろ?」

「力が入りすぎているのかな」

「えっ?」

「休憩して、ちょっとおしゃべりでもしてリラックスしてみては?」

「それがいい!」

「焼き物には2種類あるのをご存知ですか?」

「知りませんでした。二つの違いは何ですか?」

「一つは、摂氏1,000℃~1,300℃の窯で焼きます。もう一つは、1,300℃以上で焼きます」

「温度でどういう違いが出るの?」

「見た目が違います。それに、叩くと違う音がします」

「音?」

「一つ目はこんな音」

「低い音だ」

「そうです。ではこちらも聞いてください」

「ああ、高い音だ。金属のカップを叩いているみたい」

「有田では、二つ目の方の焼き物を作っています」

「ここの器はみんな粘土でできているのは知っているんだけど、ガラスみたいに輝いてる」

「私たちが使う粘土は、ガラスを作る材料に似ています。400年ほど前に有田で見つかった粘土です」

「この粘土が採れるのは有田だけですか?」

「他の場所でも採れます。でも、ここで見つかった粘土の質は、このような焼き物を作るのに最適なのです」

「ああ、なるほど。窯で焼いてから絵をつけるんですか?」

「そうではありません。まず、粘土で成形して約900℃の窯で焼きます。それから簡単な下絵を描きます。その後、特別なうわぐすりを塗ります。うわぐすりを熱すると、ガラスのように輝きます。次に、約1,300℃でもう一度焼きます。最後に色をつけて、約800℃でさらに焼きます。

「うわー! たいへんな手間だ!」

「手間はかかりますが、そのおかげで完成品はたいへん美しいものになります」

「そうですね。これらのお皿や器はすばらしいですよ!」

「アキトさん、もう一回やってみますか?」

「もちろん!」

(粘土を形作る)

 

「できた!」

「やったね、アキト! 今回はこわれなかったね! 見事だよ!」

 

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ろくろって本当に手に負えないんですよね。「才能ナシ!」を思い知らされました…