英検1級・TOEIC900点からのNHK語学

英語講師です。通訳案内士試験合格しました。

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『仁淀川』

 

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ

仁淀川 

 

 

 

仁淀川 The Niyodo River

 

ベン「ゆっくり、ゆっくり…。右足をつけて」

アキト「うわっ! こわい!」

「あー、高いところがこわいなんて信じられない。大道芸人じゃないか。高いところをこわがってちゃダメだな」

「ふん。ほっといてくれ」

 

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ナレ(アキト

ぼくはアキト。今日、ベンとぼくは高知県の仁淀川のそばにいる。仕事はお休みだ。このあたりを自転車で走るつもりだったけど、ベンが急に有名な滝つぼが見たいって言い出したんだ。

 

「ほら。水の音が聞こえる」

「ねえ、滝が見られると思うよ」

「うわー! アキト、水の色を見てよ! 青みがかったみどりがすごくがきれいだね」

「うん。それに水が透き通ってる。おどろきだー」

 

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「青みがかったみどりって、仁淀ブルーって言うんだよね」

「そう。高地では四万十川が有名だけど、日本の主な河川のうち仁淀川の水質が一位に選ばれたんだ」

「あー、ここに座っているだけで気持ちいい」

「水を見ていると、疲れも吹き飛ぶね」

「よし、じゃあ戻ろう」

「もう?」

「見たいところがたくさんあるんだ」

 

「ベン、待てよ。登るのは下るのよりずっと大変なんだから」

「ああ、アキト、運動不足だな。ん? 向こうに畑が見える」

「茶畑だ。この辺りでは、お茶を栽培しているんだ」

「あ、見て。抹茶アイスを売ってるよ」

「おい! どこ行くんだ?」

 

ナレ(アキト

ベンは日本に来て初めて抹茶の味を知ったんだけど、今じゃ抹茶が大好きなんだ。抹茶の文字を見ると、そっちに走って行っちゃう。

 

「うーん、すっごく美味しい!昔ながらの味でありながら、そうではない」

「その袋、何が入ってるの?」

「抹茶プリン。アキトにじゃないよ」

「わかってるよ。で、次はどこ行くの?」

「川が増水すると、水没する橋があるって聞いたんだけど」

 

ナレ(アキト

この橋は、両端に転落を防ぐための欄干がない。その方が水が通り抜けやすいんだ。高知県にはこういう橋がたくさんある。ベンとぼくは橋の上を歩き始めた。

 

「おっと、車が来る」

「橋の端っこに寄って」

「ひえーっ! あの車、こんな近くを走って行ったぞ! こんな橋を歩いて渡るなんて、大冒険みたいだ」

「そうだね。今度は中津渓谷を見に行こう」

「いいね。でも、あと何か所行く予定?」

「この川は海にそそぐんだ。そこはいい波が来るからサーフィンができるね。それから地元のビールを飲みたいな、それと…」

「ベン、今日は休みなんだよ。ただリラックスしたいよ」

「してるじゃん」

「してる?」

 

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ナレ(アキト

今日わかった。ベンとぼくとでは、リラックスのしかたがまったく違うんだ。

 

 

ベンみたいな人、いますよね。自転車と同じで、動いていないと倒れちゃう?