英検1級は、誰もが知る英語最難関の試験の一つです。生半可な気持ちでは合格できません。
それでも合格者がいます。どういう人が合格するのでしょうか?
合格者=海外滞在歴が長い人
とは限りません。
では、
意志が強く、勉強を継続できる人=合格者
なのでしょうか?
それもあると思います。
でも、
英検1級のための英語学習の最適化が図れる人=合格者
これが大事になってくると思います。
英検1級挑戦へのウォーミング・アップ
英検1級を目指すにあたって、英検準1級に合格していることが前提で話を進めます。
準1級に合格してすぐ英検1級を受けるべきでしょうか? 受けても構わないですが、洗礼を受けてそのまま沈没しないだけのメンタルがあればどうぞ、というところです。
準1級に合格したら、まず、準1級の過去問をやりましょう!
えっ?ですか?
いえいえ、今回は、準1級の過去問を全問正解しなくてはいけません。知らない単語などあってはいけません。制限時間の8割くらいで解きましょう。
準1級を受験する前にさんざやってきたのなら、全問正解できると言えるのですか?
私の経験から、準1級全問正解で、1級のスタートラインに立てた、という感覚です。
実際の準1級の問題は、1級合格者からみたら、超カンタンです。
一方、旺文社の『7日間完成ドリル』は、実際の準1級よりやや難易度が高いです。よって、1級のためのウォーミング・アップに最適です。
英検1級英単語
大問1の英単語・熟語が最難関と言っても過言ではありません。一番消耗するところです。
単語集やアプリで学習する人も多いようですが、途中で挫折したり、覚えたつもりでも記憶に定着しないことが多いようです。私はこのやり方をおすすめしません。
そこで、まず、
①準1級の過去問、問題集に出てきた単語・熟語は完璧にする。とくに準1級の大問1で不正解の選択肢に注目する。
「準1級の難しすぎる単語は不正解」
という説は有名ですが、
「準1級の難しすぎる単語=不正解=英検1級用の単語」
も的を得ています。
②英検1級の長文問題に出てきた単語・熟語を完璧にする。
大問1は空欄補充で適切な単語・熟語を選ぶ問題です。ここは、過去の長文問題に出ていた単語・熟語が出てくることがよくあります。
過去の長文に出ていて、その後の大問1に出てきた単語の例
admonish(勧告する)、solicit(懇願する)、incision(切開)、adverse(敵意の)
③いよいよ英検1級の大問1に出てきた単語・熟語の暗記です。まず、過去問、続いて問題集。正解・不正解とも繰り返し覚え込んでいくしかありません。一番苦しい勉強です。ここは英検1級の最難関です。乗り越えられた人が合格者となります。
私はこのようなやり方で乗り越えました↓
読解のスピードをあげる
英検1級では、大量の英文を短い時間で読んで理解して解答しなければなりません。大量の英語を速く読む練習が必須となります。
早く読む練習をいきなり英検1級用の教材でやっても挫折するだけです。
まずは、英検2級(!)の過去問を速読できるようにしましょう。一発で100%理解できますか?
絶対に読みもどらないこと!
頭から読みこなしていきます。TOEICとちがって、書き込み可なので、/や()や→などを書きこんで、英文の構造を正確につかめば、意味も頭に入りやすくなります。
同じやり方で準1級もやりましょう。
選択肢の読み方ですが、最後まで読む必要は在りません。途中まで読んで「あ、ちがう!」と思った箇所には✖をつけます。「あれ?微妙だな…」と思ったら△をつけて最終的な判断をします。
とにかく、
読み戻らないで、選択肢をすべて読まなくても正解できるようになったら、1級の過去問や問題集で実力をつけましょう。
英検1級の長文を読むには、圧倒的なスピードが必要です。英検の過去問や問題集だけでは足りません。
私は週刊STを購読しました。普通の英字新聞よりやさしめなのでスピード感を持って、たくさんの記事を読むことができます。語彙の解説もついていますので、いちいち辞書を引かなくても済みます。英検1級に出る単語ともしょっちゅう出会います。
リスニングは毎日新しいものを聞く
「リスニングは、同じものを何回も聞いて英語に慣れましょう」
と言いますが、これは英検1級用の勉強には適切ではありません。
英検1級を受験するということは、その段階をとうに卒業しているからです。
ある程度の長さと難易度のある英文を、一発で理解できることを目指すべきです。
リスニングは毎日新しいものを聞きましょう!
今では簡単に教材が手に入りますね。
私は、VOAとBBCのラーニングサイトから、気に入ったものを毎日聞いていました。スクリプトもついているので、聞き取れなかったり、意味を確認したいときに活用できます。
とにかく、一発で理解する。
このことを心がけてください。
それから、試験のリスニング時にメモをとるかとらないか、よく聞かれますが、メモをとることで集中力がそちらに流れてしまうなら、メモは一切取らない方がいいでしょう。
微細なことはあまり問われません。問われることはあります。でもその頻度が低いので、そこは落としても構わないから大意をとってスコアを確実に上げるほうが得策だと思います。メモをとるデメリットもあるということです。
ライティングと二次対策
ライティングと二次対策の前にやるべきこと、心がけることがあります。それは、
「自分のスタンスを一瞬で決める練習」
です。
練習問題。
善悪や実現可能性にとらわれず、一瞬で自分のスタンスを決めてください。
①日本はもっと難民を受け入れるべきですか?
②食糧難の国や地域を、遺伝子組換え食品で支援することの是非は?
③選挙権が18才になったことで、当事者たちは責任感を感じるようになったと思いますか?
どうですか?
一瞬で自分のスタンスを決められましたか?
あれこれ迷っていては、書く時間が無くなります。二次試験なら沈黙の時間が流れていきます。
まず、スタンスを決めて、あとから理由をこじつけるくらいでいいのです。
ただし、練習は必要ですから、毎日テーマを決めて、英文を書いたり、口に出してスピーチしましょう。テーマは友人や家族に決めてもらってもいいでしょう。
自分で決めると偏ります。新聞やネットを使っても、どうしても気がつかないうちに選別してしまいがちですから。
ライティングは書くだけですから、「書き逃げ」できますが、二次試験は質問されます。「そこは聞かないで」という質問もくるかもしれません。
しかし、あくまで「英語力」を試されているのですから、
I knew you'd ask about it.
Well, that's a good question.
などと時間を稼ぎつつ、とにかく返答します。
賢く見せる必要も、いい人ぶる必要もありません。大切なのは、矛盾がないことです。
行き詰ったときのための表現をいくつか覚えておくのも役に立つかもしれません。
I know we have a long way to go, but I'm sure we can do it.
険しいみちのりであることはわかっていますが、きっと実現できるはずです。
I think education can be the key to ~.
~するには、教育がカギを握ると思います。
では、みなさまの合格を祈念して。
最後までお読みいただきありがとうございました。