エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
喜んで
喜んで I Would Love To
春樹「はなちゃん、待った?」
花「春樹さん。ううん、全然。来たばっかり。それで、私に言いたいことって?」
春「ああ、ちょっとまだ準備中なんだ。もうちょっと待っててくれる?」
花「あ、いいわよ。でも…」
春「よかった。すぐ戻るからね」
ナレ(花)
春樹さんは高校時代の彼。1ヶ月くらい前に10年ぶりに会った。高校の時は、お互いにまだ子どもで、何を話していいかわからなかった。そんなわけでデートもしなくなってしまった。
春樹さんが大人になっててびっくり。社会人になるとちがうものね。ま、私もあのころとは違うけど。でも今、春樹さんと話をすると高校時代に戻ったみたい。
春樹さんと再会したのは、高校時代のパーティーがあったから。とても楽しくて、パーティーは何回もあった。パーティーに行くのは楽しみだった。春樹さんに会えるから。いつも春樹さんに会うたびどきどきする。
先週のパーティーの時、春樹さんが私に話したいことがあるって言ったの。だから二人で会うことにしたの。それで、今日会っているというわけ。
私に言いたいことって何かしら?
ちょっと待って。私、この場所知ってるわ。テレビで見たことがある。
男性が女性にプロポーズするのよ。二人がここに来ると、まわりの人たちが踊りだして。その男性も踊りだすの。そして最後にその男性が指輪を出して言うの。「ぼくと結婚してください」って。
えっ⁉ まさか!
これが春樹さんの計画なの?
「まだ準備中なんだ」
これが春樹さんの計画なのかもしれないわ。つまり、ここで私にプロポーズするってこと?
ええっ! 私、どうしよう? ちょっと待って。急すぎない? デートだってしてないのに。それとも、最初のデートでプロポーズするつもりなの?
ああ、息苦しくなってきた。落ち着きなさい、花子。落ち着くのよ。もう高校生じゃないんだから。大人の女性でしょ。
ああ、秘密のサプライズを知っちゃって、なんか悪いわ。うまくおどろいたふりができるかしら。ああ、なんていえばいいの? 「ぼくと結婚してください」って言われたら。
そうねぇ、もちろん「喜んで」って言うわ。高校時代の彼と結婚するなんて、信じられない。結婚式はいつがいいのかしら。クラスメイトも招待すべき? あ、そうだ、きっとみんなもう近くにいて、踊り始めるのをまっているんだわ。
春「花ちゃん、待たせてごめん」
花「大丈夫よ」
春「あのー、実はね、言いたいことっていうのは…」
花「言いたいことっていうのは?」
春「今ここで、彼女にプロポーズしようと思うんだけど、手を貸してくれないかな。サプライズなんだよ」
花「まぁ!」
春「ぼくたちのまわりの人も、協力してくれるんだ。みんな踊るからさ。すごいでしょ?」
花「そ、そうね」
春「花ちゃん、ぼくたちのビデオ撮ってもらえる?」
花「え、ええ、喜んで」
ああ、想像(妄想)力は無限大! 私も負けていませんよ!!