エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳
伊賀上野
伊賀上野
アキト「ベン、見てよ! あれが見たかった電車だよ!」
ベン「は? あれ、顔なの?」
ア「横にも絵が描いてあるんだ。忍者の顔だよ」
べ「ニンジャ?」
ア「そう。有名な漫画家がこの電車の絵を描いたんだ。ちょっと左に寄って。写真を撮りたいんだ」
ナレ(ベン)
ぼくはベン。今日、アキトとぼくは三重県の伊賀上野っていうところに来ているんだ。忍者で有名なところで、ここには昔、忍者が住んでいたってぼくも聞いたことがある。でも、ぼくがおどろいたのは…
ア「うわー、これはすごい! 忍者列車が3台もある。しばらくここにいて、全部見よう!」
ナレ(ベン)
相方のアキトは忍者のファンだったのか。アキトはあんまり興奮したりしないんだけど、ここではすごく興奮しているみたいだ。
ア「ベン、向こうを見て。あれが伊賀上野城。忍者博物館もあの辺にあるよ」
べ「ああ、そう…」
ア「ベン、どうかした? あんまり楽しくなさそうだね。忍者は好きじゃないの?」
べ「もちろん、好きだよ。ただ…アキトがあんまり興奮してるから、その…びっくりしちゃって」
ア「あー、あのね…。ずっと、忍者みたいになりたいって思ってたんだ。ときどき芸の最中に忍者みたいな動きをしてるんだよ」
べ「そうなの? 知らなかった」
ア「博物館で忍者ショーを見れると思うんだけど。きっと、いろいろ参考になるよ。ぼくたちの芸に役に立つはず」
(忍者ショーが終わって)
ア「ベン、こっちに来て。手裏剣投げをやってみよう」
べ「ニンジャ・スターのこと?」
ア「そう。あの的に投げてみて」
べ「よし!(手裏剣を投げる)えーっ? だめだー!」
ア「投げ方がなってない。ジャグリングは上手いけど、手裏剣投げはもっと練習しないとね」
べ「ちょっと、ひどいなー! もう一回やってみる」
ア「またあとで戻ってこようよ。伊賀上野では、忍者の衣装を借りて、そのかっこうで町中を歩けるんだよ」
ナレ(ベン)
アキトは忍者の衣装を5枚も試して、やっと気に入ったのが見つかった。
ア「ねえ、ベン。どう?」
べ「まあ、オッケーかな」
ア「オッケーだけ? これ、似合ってないってこと?」
べ「ちがうよ。そうじゃなくて。目しか見えないから、そのかっこうだとアキトかどうかわからないんだよ」
ア「だから、忍者はすごいんだよ。誰にもわからないってこと。さ、写真を撮ってくれ」
ナレ(ベン)
アキトは伊賀上野に来てすごく楽しそうだ。有名な伊賀牛まで食べたいって言った。
ア「じゃあ、すき焼きはどう? 忍者は重労働だから、たくさん食べないと」
べ「すき焼きはいいね。でも、お金足りる?」
ア「大丈夫。明日は大阪に行く。たくさんの人が芸を見に来るから、いっぱい稼げるよ」
べ「オッケー。でも、大阪に行く前に行きたいところがあるんだけど」
ア「なんだって?」
べ「いいだろう。アキトが選んだ伊賀上野、楽しかったね。次の場所は、ぼくが選ぶよ」
いつも計画通りに物事を進めて、やや心配性なアキト。今日は別の顔を見ました!