琵琶湖
ベン「ねえ、あれが沖の白石?」
アキト「そうだと思う。沖の白石は、琵琶湖のほぼ中央にあるんだ」
べ「なるほど。琵琶湖がどれだけ大きいかまだよくわからないな!」
ナレ(アキト)
ぼくはアキト。今日、ベンとぼくは滋賀県の琵琶湖で遊覧船に乗っている。一日かけて琵琶湖の島々を巡るんだ。
べ「アキト、ぼくたちが最初に行った島は何て言うんだっけ?」
ア「沖島だよ」
べ「ああ、そうだ。で、これが沖の白石だろ? 似た名前だよね。でも沖島の方が大きいな」
ア「沖島が琵琶湖の中で一番大きい島で、約280人が住んでいる。日本では、湖にある島で人が暮らしているのは、そこだけなんだよ。沖の白石は、大きな岩の集まりだね」
べ「で、その岩には上陸するのかな?」
ア「しないと思うよ」
べ「残念だなー。岩のてっぺんでジャグリングしたかった」
ナレ(アキト)
ベンとぼくはA&Bっていう大道芸の二人組。芸を磨くために日本じゅうを旅しているんだ。
係員「こんにちは。琵琶湖は初めてですか?」
ア「そうです」
係「では、クイズです。琵琶湖の大きさはどれくらいでしょう?」
ア「うーん、滋賀県の半分くらいかな?」
べ「もっと大きいんじゃない? 滋賀の70%くらいを占めているよ」
係「ちがいます。琵琶湖は滋賀県のわずか16%を占めているだけなんですよ」
ア「そうなの? もっと大きいと思ってた!」
係「まあ、日本で一番大きい湖ではありますが。関西地方で使用される水のほとんどが琵琶湖の水です。なので、滋賀の悪口を言う人には、『琵琶湖の水を止めちゃうぞ』って言ってやるんです」
べ「水を止められるの?」
係「まさか。ただの冗談ですよ」
べ「なんだ、そうか。ところで、次の竹生島について教えてください」
係「いいですよ。滋賀のほとんどの人が行ったことがあるでしょうね。昔から神々の住む島と言われています」
ア「うわー!」
ナレ(アキト)
竹生島に着いた。しばらく歩いて、景色のいいところで立ち止まった。
べ「ねえ、あれは何?みんな何かを投げてるよ」
ア「かわらけ投げだ」
べ「カワラケ? 何、それ?」
ア「粘土でできた小さな白い皿みたいなものだよ。裏に願い事を書いて、向こうの鳥居に投げるんだ。鳥居の中に入れば、願いがかなう」
べ「やってみよう!ぼくの願いは世界一の大道芸人になることだ!(かわらけを投げる)ああ、ダメか!」
ア「ハハハ。世界一になるにはもっと修行しないとな!」
べ「なんだよ、そんなこと言うな!」
ナレ(アキト)
竹生島の後は、多景島に行った。
べ「この島、とっても変わってる。見る角度によってちがう島に見える」
ア「そう。それで有名なんだよ。それに島全体がお寺になっているんだ」
べ「そうなの? 実はね、この湖全体がぼくにとってはお寺みたいな感じなんだ」
ア「ああ、その通りかもね」
ナレ(アキト)
もうすぐ陽が沈む。すばらしい眺めだ。もっと長く琵琶湖にいられないなんて残念だな。
琵琶湖が占める面積は、滋賀県の16%!!
地図で見た記憶では、県のほとんどが琵琶湖っていうイメージでした。日本のことを知らなすぎ…