エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
夏のお楽しみ
夏のお楽しみ A Taste of Summer
娘「あれ? お母さんは?」
父「今日は仕事に行ったぞ」
娘「また? ああ、お腹すいた。何か食べるものある?」
父「そうめんを作ってやろう」
娘「そうめん? また? そうめんばっかり」
父「得意なんだよ」
娘「そうめんは料理のうちに入らないよ。ゆでて冷たくするだけ。めんつゆはスーパーで売ってるし。作らなくて済むじゃん」
父「おいおい。そうめんはさっぱりして夏の味だ」
娘「レストランでスパゲティが食べたい」
父「それもいいけど、いつも日曜日はレストラン混んでるぞ。そうだ、いい考えがある」
娘「なに?」
父「裏庭の竹を見てみよう」
娘「タケノコでも食べるの?」
父「あとでわかるよ。さ、行こう」
ナレ(娘)
お父さんと家の裏に行った。お父さんは竹を見ていた。やっと気に入った竹を見つけて切り始めた。
父「あぶないぞ! 竹が倒れてくる。葉を全部切り落として、半分にカットしよう」
娘「うわー! 完全に真っ二つになったね。端がとってもなめらか。どうして?」
父「竹の繊維は上下にまっすぐに伸びるんだ。よし、このハンマーを使って竹の内側を滑らかにするんだ」
娘「はーい。お父さんは何するの?」
父「水を持ってくる」
ナレ(娘)
竹と水? どんなそうめんになるんだろう?
父「よし、組み立てるぞ」
娘「組み立てる? 何作るの?」
父「この竹で水路を作るんだ。片方の端を高くして、水が流れるようにする」
ナレ(娘)
お父さんと作業をして水路を作った。ついに完成! 小さなウォーター・スライダーみたい。
娘「お父さん、お腹すいたよ。もう食べていい?」
父「いいよ。めんつゆのお椀と箸を持って、竹の端に行って」
娘「わかった…」
父「行くぞ!」
娘「なに?」
ナレ(娘)
突然、水とそうめんが水路を流れてきた。
父「おい、めんをキャッチするんだぞ」
娘「お父さん、これ、ただのそうめんじゃん」
父「ちがう、ただのそうめんじゃない。流しそうめんだ。めんをキャッチしないと流れていっちゃうぞ」
娘「オッケー。待って。あんまり早くしないで」
ナレ(娘)
箸を入れてめんをキャッチした。
娘「やった! 取れたよ!」
父「いいぞ!」
娘「うーん、めんが冷たくておいしい!」
父「よし。いいか、これもキャッチしろ」
娘「え? ちょっと待って!」
ナレ(娘)
竹の水路をミニトマトが流れてきた。
娘「うわっ! 取れないよ!」
父「手で取るんだ」
娘「オッケー。うーん、このトマト、すごくおいしい」
ナレ(娘)
すっごく楽しかった。時間を忘れてそうめんをたくさんたくさん食べた。夏の流しそうめんは最高です。
いいなー、こういうの。流しそうめんこそしなかったけれど、遠いむかし、私にもこんな夏の日がありました。